飼い主が自転車に乗り、片手にひもを持ち、犬を走らせている。
こんなシーンを見かけたこと、ありませんか?
私は実際に、何度か見かけたことがあります。素直に「危ないな」と言う気持ちになりました。
日本の交通法規によると、
自転車に乗っている状態で、犬を引っ張って散歩することは、危険運転になるので違反です。
法律的にやって良いか、悪いか以上に、
「大怪我をしてしまう。」 「生きている命が失われてしまう。」そんな可能性がある、とても危険な行為ですので、やらないようにしましょう。
自転車自体、不安定な乗り物
物理的に転倒しない二輪車は開発できません。今だに売られていませんよね。
自転車に乗るときは、必ず両手でハンドルをしっかりと握って運転しなくてはいけません。
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自転車で犬の散歩をする際の危険性
突然の方向転換
犬は生まれながらの優秀なハンターであり、人よりも感じる能力が優れています。気になるにおいを感じたり、鳥や猫、他の散歩中の犬など他の生き物の気配を感じたりした時は、興味をもった方向に向かう時があります。
自転車は、まっすぐ走ることによって、安定を保つ乗物です。急な方向転換はバランスを失い転倒してしまいます。
また、犬は排尿、排便をしたくなると、急に止まることもあります。このような場合は犬を強い力で引きずってしまい、犬の身体におおきなダメージを与えてしまいます。道路との摩擦で、皮膚や肉球の剥離が起きることもあります。
犬の暴走
犬は本能的に獲物を追いかける生き物です。走ることでその本能が刺激され、興奮状態になることがあります。
たとえ躾が行き届いて、犬をコントロールできる自信があったとしても、自転車に乗っていたら犬と目を合わすことやスキンシップもできないので、犬とコミュニケーションができません。
犬が興奮して暴れだすと、自転車と接触して転倒したり、車輪に巻き込まれたりする可能性があります。
リードの引っ掛かり
自転車で犬と散歩をするということは、常に、犬の顔の近くに、大きな回転した車輪とベルトまたはチェーンがある状態です。これだけでも、とても恐ろしいですよね。
万が一、自転車のホイールやペダル、ブレーキなどにリードが引っ掛かりますと、自転車が突然停止したり、転倒したりするリスクがあります。
歩行者との接触
突然、自転車をコントロールできない状態になると、周りにいる人たちにも危害をあたえてしまう可能性があります。
元の考えは、「愛犬の運動不足を解消してあげよう」と思っての行動だとすると、心の優しい方が、事故の加害者になってしまうのは悲しいですね。
自転車の運転は、安全に行う義務がある。
道路交通法第70条、第71条、都道府県公安委員会規則では
【安全運転の義務】として次のようなルールがあります。
携帯電話の通話や操作をしたり、傘を差したり、物を担いでだりすることなど、ハンドル・ブレーキ等を確実に操作できず、他人に危害を及ぼすような方法で運転してはならない(そのような行為自体を禁止している都道府県もある。)
守らなかった場合は、3ヶ月の懲役、または5万円以下の罰金になります。
引用:警視庁ホームページ
近年、携帯電話の罰則はさらに強化されました。自転車の運転時はヘルメットを着用することが努力義務になりました。
交通ルールを強化したことにより、効果もあらわれています。
ここ数年間、自転車運転の死亡事故は減少し続けています。
減ってはいるが、ゼロにはなりません。
道路では、何が起こるかわかりませんので、一人ひとりが安全な行動をとることが大切ですね。
保険金が支払われない可能性がある。
自転車は気楽に乗れて、自動車のように、運転に必要な免許証が必要ありません。
しかし、道路では、車両として扱われます。
万が一、歩行者と自転車が接触した場合は、車と同じように責任を取らなければなりません。
ほとんどの都道府県では、令和2年4月1日より、自転車を所持した場合、傷害保険に入ることが義務化になりました。
自動車保険や火災保険、クレジットカードなどに「特約」として「個人賠償保険」に入っている方たちも多いと思います。
いざという時の保険ですが、免責事項と呼ばれるものがあります。
安全運転義務の違反をしてケガをしたり、させてしまった場合(重大な過失または故意の場合)には、保険金が支払われない可能性があります。
犬には負担になる
自転車と一緒に走る犬は、いい運動をしているようにみえるかもしれません。
しかし、犬にとっては、自転車ほどのスピード走行は、連続で行うと体内の熱が上がるので負担になります。
また、飼い主に引っ張られるのではなく自転車に引っ張られているように認識します。
そのため、主従関係が崩れたように感じられます。
犬にとっては、プライドも傷つきます。
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運動不足解消にはトレッドミル。
犬は走るのが大好きです。 適度な運動は、血液の流れをよくしてくれるので、動脈硬化の改善、予防にもなります。自転車を使った散歩の根本的な考えは、「犬の運動不足を解消してあげたい。」という飼い主の優しさなのかも知れません。
でしたら、安全な方法のひとつとして”トレッドミル”を使ってみてはいかがでしょうか。
トレッドミルとは、スポーツジムにある室内でもジョギングやウォーキングができる装置のことです。天気や気温が悪くても、外の影響を受けずにいつでも運動ができます。
最近では、犬用のトレッドミルもあります。お値段は少々張りますが、愛犬の健康維持とストレス解消になれば、購入する価値は十分にあると思います。
まとめ
人間の身体も、栄養などを運ぶ道路の血管にトラブルが起きると、心疾患や脳卒中になり、最悪亡くなってしまう可能性があります。 身体のケアをすることと、道路のルールを守ることは、とても似ているのですね。
犬は力があり、予測できない行動をすることもあるので、普通に散歩をするだけでも大変です。
犬は交通ルールも自転車のことも理解していません。
ですので、安全のため今後も、自転車で犬の散歩はやらないようにしましょう。