犬の熱中症予防:致死率約50%という衝撃的な事実と、暑い日だけでなく日常生活でも必要な注意点

こんにちは、愛犬家の皆さん。暑い季節がやってきましたね。医療現場では連日のように熱中症の患者さんが救急搬送されてきます。中には新型コロナウィルスの感染症であったという患者さんもいます。症状が似ているのです。

さて、私たち人間だけでなく、犬も、この時期は熱中症のリスクにさらされます。しかし、熱い日だけでなく、日常生活の中でも熱中症に注意が必要です。今回は、愛犬の熱中症予防について、医療従事者の私と一緒に学びましょう。

犬の体温と熱中症

あなたの大切なパートナーである愛犬の体温、ご存知ですか?

犬の体温は、私たち人間よりも少し高く、約38.5℃から39.2℃です。小型犬では38.6~39.2℃、大型犬では37.5~38.6℃となります。だからと言って、犬が暑さに強いわけではありません。体温が急に上昇する(40.5℃を超えると高体温状態)と、犬も私たちと同じように体調を崩し、熱中症になる可能性があるのです。

犬は「なんだか、だるいんだよね。」などのように人の言葉を使って自分の症状を打伝えることが出来ません。愛犬の体調には十分気をつけてあげてくださいね。

参考文献:  “Heatstroke in dogs: A retrospective study of 54 cases (1999-2004) and analysis of risk factors for death”, Journal of Veterinary Internal Medicine https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16496921/

犬種と熱中症のリスク

全ての犬が熱中症のリスクを持っていますが、特に短頭種(鼻が短い犬種)の犬たちは、呼吸が困難になりやすく、熱中症になりやすいとされています。具体的には、ブルドッグやペキニーズ、ボストンテリア、シーズーなどが該当します。

ペキニーズ

ペキニーズ

また、高齢犬や肥満犬、心臓疾患を持つ犬も、熱中症のリスクが高まります。これらの犬たちは、体温調節が難しくなるため、特に暑い日には十分な注意が必要です。

熱中症の予防策

適切な水分補給

暑い季節になると、私たち人間だけでなく、愛犬もたくさんの水分を失います。そのため、熱中症を予防するためには、愛犬に常に新鮮で清潔な水を提供することが大切です。

散歩前後はもちろん、遊びの合間にも、愛犬が自由に水を飲めるようにしてあげましょう。私は外出時にペットボトルや折りたたみ式の水入れを持参しています。いつでもどこでも愛犬に水分補給をさせることができるので便利です。

次の記事もぜひ、参考にしてください。

犬の水分補給:飲まないとどうなる?健康維持のカギを握る水分補給の事実

 適切な運動管理

運動も注意が必要ですね。暑い日中の散歩や激しい運動は、愛犬の体温上昇や熱中症のリスクを高める可能性があります。そこで、以下のポイントに気をつけて、無理のないように運動を行いましょう。

まず、散歩や運動は、涼しい時間帯に行うようにしましょう。起きるのはつらいかもしれませんが、早朝は気温が下がり、地面もまだ熱くなっていないため、愛犬が快適に運動できます。日が沈んだ夜もよいでしょう。

日中どうしても。というのであれば、直射日光の下での運動は避け、木陰や涼しい場所を選びましょう。

運動量についても注意が必要です。暑い日には、無理な運動や長時間の遊びは避けましょう。愛犬の体力や体調に合わせて、適度な運動を行うことが大切です。また、運動の間には休憩を取り、水分補給をしっかり行いましょう。

犬は私たちと違い、熱を発散するのが得意ではありません。そのため、私たちが感じるよりも暑さに敏感です。愛犬が暑さで舌を出し、強く息をする場合は、休憩を取り、涼しい場所で体温を下げるようにしましょう。

冷却アイテムの利用

犬の熱中症予防のために、冷却アイテムの利用が有効です。愛犬の体温を下げるために、ペット用の冷却マットや冷却ベストなどを活用することをおすすめします。

冷却アイテムは頼もしい味方となります。犬が寝たり休んだりする場所に置いておくことで、体温を下げる効果があります。また、冷却ベストは愛犬の体に着せることで、体温調節をサポートします。

冷却アイテムは、特殊な材料や技術を使用しており、愛犬の体温を下げる効果があります。また、冷たく感じる素材で作られており、愛犬が触れるだけで涼しさを感じることができます。また、冷却ベストは水を含んだ素材で作られており、愛犬の体熱を吸収して冷やす効果があります。

冷却アイテムを利用する際には、使用方法に従って正しく取り扱いましょう。冷却マットや冷却ベストは、事前に冷蔵庫や水に浸すことで冷やすことができます。愛犬が快適に過ごせるよう、適切なタイミングで冷却アイテムを活用しましょう。

室内環境の管理

室内環境の管理はとても重要です。エアコンや扇風機を使って室内の温度を快適な範囲に保ちましょう。

エアコンを使う場合は、適切な温度設定を行いましょう。一般的には、約24℃から26℃が快適な温度とされています。ただし、急激な温度変化は体に負担をかけることがあるため、犬がいる部屋の温度を徐々に変えていくことがポイントです。

また、扇風機を使用する際は、犬が直接風を受けないように注意しましょう。風が直接当たると、犬の体温調節が乱れる可能性があります。扇風機を適切な位置に置き、間接的に涼しい風を感じられるようにしましょう。

室内に日差しを遮るカーテンやブラインドを使用することも効果的です。直射日光が入らないようにすることで、室内の温度上昇を抑えることができます。
扇風機

扇風機

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