ドッグフードの添加物って何?簡単ガイド

ペットを飼っている方なら、ドッグフードの成分について気になりますよね。

現代の私たち人間の食品にも、様々な食品添加物が使用されていることを考えると、ペットフードの成分にも同じような関心を持つのは当然ですね。

ペットの健康のために、添加物の内容やその効果について知ることは大切です。なぜならば、添加物の中には必要なために、含まれているのもあるからです。

ドッグフード(写真AC)

ドッグフード(写真AC)

そもそも、ドッグフードになぜ添加物が必要なの? 

  1. 栄養補完: すべての栄養を含む食材だけでは難しく、それを補うため。
  2. 賞味期限の延長: 保存を長し安全性を高めるため。
  3. 味の向上: 犬が喜んで食べられる味を出すため。
  4. 色の統一: 見た目をきれいにするため。
  5. 成形しやすくする: 犬はスプーンなどを使えません。食べやすい形にするため。
  6. 健康サポート: 特定の健康問題に対応するため。
  7. コスト削減: 生産コストを下げるため。

これらの理由から、多くのドッグフードには添加物が含まれています。

ドッグフードにはどんな添加物が入っているの?

ドッグフードには、さまざまな添加物が含まれています。

これらの添加物は、フードの品質や保存性、栄養価を高めるために使用されます。以下は、ドッグフードに含まれる主要な添加物の一部とその目的です。

栄養添加物

栄養添加物は、ドッグフードに必要なビタミンやミネラルを補うために添加されます。これにより、ペットが必要とする栄養素を適切に摂取できるようになります。

ビタミン

例:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸など)

役割:体の正常な機能を維持するため、また特定の病気の予防や治療のために添加されます。

ミネラル

例:カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マグネシウム、セレン、ヨウ素など

役割:骨や歯の形成、酵素の活性化、体液のバランス維持などの重要な役割を果たします。

アミノ酸

例:タウリン、リジン、メチオニンなど

役割:タンパク質の構成要素として、また特定の生理機能をサポートするために添加されます。

脂肪酸

例:オメガ-3脂肪酸(EPA、DHA)、オメガ-6脂肪酸、リノール酸など

役割:細胞の構造や機能をサポートし、炎症反応の調節などの役割を果たします。

繊維

例:セルロース、イヌリン、フルクトオリゴ糖など

役割:消化の促進、腸内環境の改善、便秘の予防などに役立ちます。

プロバイオティクス

例:乳酸菌、ビフィズス菌など

役割:腸内環境の改善や免疫機能のサポートを目的として添加されます。

これらの栄養添加物は、食品やペットフードの栄養バランスを整えるため、また特定の健康上の目的を達成するために使用されます。

保存料・酸化防止剤

保存料・酸化防止剤は、フードの鮮度を保ち、変質や微生物の増殖を防ぐために使用されます。特に、保存料はフードの賞味期限を延ばす役割があります。

エトキシキン :ペットフードの酸化を防ぎ、保存性を向上させるために添加されることが多いです

BHA (butylated hydroxyanisole) と BHT (butylated hydroxytoluene)

これらも抗酸化剤として使用されます。特に、脂肪の酸化を防ぐためにペットフードに添加されることが多いです。

安定剤・凝固剤・保湿剤・乳化剤・膨張剤

これらの添加物は、ドッグフードのテクスチャーや形状を整えるために使用されます。また、フードの水分を保持するためや、油と水の混合を助けるためにも使用されます。

プロピレングリコール:湿潤剤や保存料として使用されることがあります。また、フードの柔らかさを保つためにも使用されることがあります。

亜硝酸ナトリウム:防腐剤や色素安定剤として使用されます。特に、肉製品の赤色を保つために添加されることが多いです。

ソルビン酸カリウム:防腐剤として使用され、微生物の増殖を抑制し、フードの保存性を向上させるために添加されます。

甘味料・調味料・香料・動物性油脂

これらは、ドッグフードの味や香りを向上させるために使用されます。動物性油脂は、エネルギー源としても機能します。

ソルビン酸カリウム:防腐剤として使用されます。微生物の増殖を抑制し、フードの保存性を向上させるために添加されることが多いです。

グリシリジン・アンモニ:甘味料や香料として使用されることがあり、また抗炎症作用があるとも言われています。

着色料・発色剤

これらは、ドッグフードの見た目を魅力的にするために使用されます。特に、ペットの飼い主が製品を選ぶ際の視覚的な魅力を高めるために使用されることが多いです。

カラメル色素:天然の着色料で、糖を加熱して作られます。茶色の色合いを持ち、多くのドッグフードに使用されています。

酸化チタン:白い着色料として使用されることがあります。

赤ビート色素:天然の赤色の着色料で、ビートから抽出されます。

クロロフィル:緑色の着色料として使用されることがあります。

亜硝酸ナトリウム:発色剤として使用されることがあり、特に肉製品の赤色を保つために使用されます。

無添加のドッグフードは本当に安全?

「無添加」と表示されているドッグフードは、実際には栄養添加剤や酸化防止剤などの添加物が使用されていることが多いです。

完全に添加物を含まないドッグフードは、保存状態や成分によっては劣化しやすく、微生物の増殖や酸化のリスクが高まる可能性があります。

そのため、無添加と表示されているものでも、成分表示をしっかりと確認し、適切な保存方法を守ることが大切です。

ペットフード安全法とそのきっかけ

平成19年3月にアメリカで発生した、メラニン(有毒物質)混入のペットフードによる被害がきっかけとなり、多数のワンちゃんやネコちゃんが死亡しました。

この事件を受けて制定されたのが「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)です。

ペットフードの安全性:現代の基準と法律の見直し

近年、ペットフードに関する安全性の問題が取り上げられるようになりました。特に、XylitolやMelamineなどの有害な成分が摂取されることによるペットの健康被害が報告されています。これらの問題を受けて、多くの国々ではペットフードの基準や法律が見直されてきました。

基準の見直し

  1. 成分表示の明確化:ペットフードの成分表示をより詳細かつ明確にすることが求められています。消費者が製品を選ぶ際に、含まれる成分や添加物を正確に知ることができるようになりました。
  2. 有害な成分の使用制限:XylitolやMelamineなどの有害な成分の使用が制限され、一部の成分は使用が完全に禁止されています。

法律の見直し

  1. ペットフードの安全基準法:多くの国で、ペットフードの安全基準に関する法律が制定されました。この法律により、ペットフードの製造や販売に関する基準が設けられ、違反者には厳しい罰則が科されるようになりました。
  2. 消費者の権利保護:消費者がペットフードに関する情報を容易に入手できるようにするための法律も制定されています。これにより、消費者はペットフードの安全性や品質に関する情報を知る権利が保障されています。

これらの基準や法律の見直しにより、ペットフードの安全性が向上してきました。しかし、消費者としては、常に最新の情報を取得し、ペットの健康を守るための適切な選択をすることが重要です。

日本のドッグフードの添加物の基準値と使用効果

  • エトキシキン・BHA・BHT: 150(合計量)。エトキシキンは75以下が犬用の基準。
  • 亜硝酸ナトリウム: 100
  • グリホサート(農薬): 15

これらの添加物は、食品や飼料に使用が許可されたもので、安全性試験が行われています。詳しい基準値については、環境省のページを参照してください。

ペットフードの危険な添加物

Xylitolとは?

Xylitolは、食品やお菓子を甘くするための甘味料として使用されることがあります。しかし、犬にとっては非常に有毒であり、少量の摂取でも重大な健康問題を引き起こす可能性があります。この情報は、多くの獣医学関連の資料や組織(例:American Kennel Club)で警告されています。

犬に対する影響:

  1. 低血糖:Xylitolの摂取により、犬の血糖値が急激に低下することがあります。
  2. 肝臓の障害:Xylitolは犬の肝臓に重大なダメージを与える可能性があります。

Melamineとは?

Melamineは、ペットフードのタンパク質の量を増やすために使用されることがあるプラスチックの一種です。しかし、過剰な摂取は腎臓の障害を引き起こす可能性があります。

アクリルアミドとは?

2000年に入ってから発がん性が確認された化学物質「アクリルアミド」。

特にドライタイプのドッグフードに高濃度で含まれていることが確認されています。

この物質は、食材が高温で調理される際に生成されることが知られており、ドッグフードだけでなく、人間の食品にも含まれることがあります。

犬のための製品と添加物:薬からおもちゃまでの隠れた成分

ドッグフードだけではなく犬のための製品も、私たちが使うものと同じように、いろんな成分が入っています。これには、製品の品質や使いやすさをよくするための「添加物」も含まれています。

犬用の薬: 犬の薬にも、効果を出す成分のほかに、形や色を整えるためのものや、保存を長くするためのものが入っています。でも、犬に合わない成分が入っていることもあるので、獣医さんに相談しながら選ぶことが大切です。

シャンプーやリンス: 犬用のシャンプーやリンスには、毛がきれいになる成分のほか、香りをつけるものや、泡立ちをよくするものが入っています。でも、中には犬の肌に合わないものもあるので、使う前によく成分を見ることが大切です。

おもちゃやベッド: 犬が使うおもちゃやベッドにも、色や形をきれいに見せるための成分が使われています。

特に、色の鮮やかなおもちゃには、色をつけるためのものが入っていることがあります。これも、犬が口にするものなので、安全なものを選ぶことが大切です。

犬のための製品を選ぶときは、成分や添加物に注意して、犬の健康を守る選択をしましょう。

すべての添加物が悪いわけではない!

犬のおやつやドッグフードの添加物は、すべてが危険なわけではありません。

しかし、中にはペットフード安全法で使用が制限されているものもあります。

特に「エトキシキン」「BHA」「BHT」「亜硝酸ナトリウム」の4種類は注意が必要です。

まとめ

ドッグフードには、犬の健康を守るための栄養成分がたくさん入っています。

しかし、犬の体に必要なビタミンやミネラルは、自然の食材だけでは足りないことが多いのです。添加物は、これらの栄養を補うために使われます。

また、保存のためや、食感を良くするためにも使われることがあります。しかし、添加物の中には体に良くないものもあります。

どのような成分が、入っているのかを知ることは大切ですし安心できますね。私たち人は、わからないことに不安を感じるのですから。

これからも愛犬のために、しっかりと成分表示をチェックして、安全なドッグフードを選びましょう!